インドに住んでいた頃、よく遊びに行っていた友だちの家には、女神カーリーのおどろおどろしいけれども、どこかユーモラスで惹きつけられる2メートルくらいの大きな版画が祀ってありました。
破壊と殺戮の象徴、ロックな女神カーリーは、悪魔を殺したあとも暴走が止まらず、髑髏をつなげてできたネックレス、悪魔からもぎ取った手足を腰に下げ、4本ある手のうちのひとつには生首、もうひとつには剣を掲げ、ヘッドバンキングしながら(イメージ)狂気のダンスで大地をドスンドスンと踏み鳴らしつづけます。
地面が割れることを案じた夫であるシヴァ神が現れ、女神の足下に横たわって大地を守ろうとすると、興奮のあまりまわりが見えなくなった女神がうっかり夫を踏みつけてしまい、その瞬間正気に戻り「てへ。やっちゃった」とベロリ舌をだす様子が描かれているということらしいのです。
諸説あるようですけれども。
抑えきれないエネルギーがほとばしる、魅力的な女神です。こわいけどね。
結婚生活のところどころでーとくに妊娠中、産後、子どもの幼児期というデリケートな時期が多いように思うのですがーパートナーへの強い怒りがわき起こるような出来事がおこり、その怒りを適切に表現できる場合はいいのですが、
(とはいえ、相手はシヴァ神ではないので、怒りのダンスは控えめにしないと関係という大地にヒビが入ってしまいます)
それをパートナーに伝えずにじぶんのなかに押し込めてしまったり、どうせ言ってもわからないでしょと見限ってしまい、解決されないまま怒りを長い間もちつづけてしまっている場合があります。
その怒りが、時間と共に消えてなくなってしまえばどんなにかいいのですが、
強いネガティブな感情ほど粘着力がつよく、べたりと内面に貼りついたまま発酵してウラミ~に姿を変え、パートナーとの親密な気持ちや、性のやりとりの妨げとなってしまいます。
それはまるで、ふたりの間に流れるドブ川のようです。
このウラミの発酵度合いが高いと、危険な異臭を放つニシンの缶詰シュールストレミングのようになり、じぶんごとその臭いにやられかねません。
キズついたわ~ウラミあるわ~とごじしんで認識されている方で、それでもこれから、
ふたりの関係をよいものに変えたい、パートナーと愛が深まるようなセクシャルコミュニケーションがしたいと思われている方には、
まずはそのウラミの缶詰の中身を紙に書き出してみることをおすすめしています。
だれにも見せず、じぶんだけにわかればいいので、アイツめコンニャロー、血祭りにあげてやるーという、カーリーのごとき高揚感で気持ちをどんどん書きつづってみてください。
書いているうちに「わたしはアイツを1ミリも信用できない!、、、ん?あれ?そうだっけ?信用できるときもあるかも」みたいな、じぶんの文章に対する内なるツッコミがでてくるときがありますので、それもどんどん書き加えていってみてください。
この書くという作業だけでも、少しウラミのガス抜きができる場合があります。
書いたものをだれにも見られないようにご注意ください。
時間の経過や人生経験、成熟とともに出来事の見え方が変わっていたり、怒りのもっと先のほんとうは欲しかった感情がポロッとでてくることがあるかもしれません。
もし、このウラミの缶詰がなくなったとしたら、どんな関係を築けそうですか。
そしてそのとき、じぶんはどんな表情や態度でパートナーと接していますか。
そんなことにも思いをはせてみてください。
そののち、落ち着いて率直に、じぶんがその時感じたこと、これからこういう風な関係にしていきたいということを相手に届くような言葉できちんと伝えることができ、受けとめてもらえたならば、関係は確実に変わりだします。
とはいえ、傷ついた心をひらくことは、とても勇気がいることです。
何か力になれそうなことがあるようでしたら、メールにてご相談ください。
女神カーリーの別の姿はパールバティという慈愛あふれる美しき女神だということも付け加えておきますね。
ふたりの関係に流れる川が聖なる河ガンガーとなりますように。
あ、、、水きれいじゃなかった、、、シヴァの額から噴きでるガンガーの源流のようでありますように。
きょうの南インド料理は、Taro masala fry/さといものスパイス炒め。庭のカレーリーフが枯れる前にたくさん使いたかったー。
下茹でしたさといもにターメリック、チリパウダー、サンバルマサラ、コリアンダーパウダー、塩、セモリナ粉をまぶし、油でマスタードシード、カレーリーフを香らせてから炒める。
インドにもサトイモあります。アクがつよいけどね。
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spice+arts やましたのぶこ
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