「性欲が湧かないんです」という女性、結構多いなという印象です。
この海のものとも、山のものともわからない性欲。なんでしょうかねコレ。
見えないし、測れないし、他の人と比較もできないコレ。
3大欲ですわと、食欲や睡眠欲と同じラインで語られるけれど、性欲なくても死なないしね。
女性は特に、このあやふやな性欲頼みで、パートナーとの性を絡ませるということになると、性欲様がお越しになりませんので、いたしませんということが起きやすくなってきます。
性欲待ちならば、一生待ち続けて過ごすことになるかもしれません。
性欲はどこからかキラキラと降ってくるものではありません。(そういう場合もありますけれど)
性欲降臨を待たなくても、ほとんどの女性は性的な感覚をじぶんの内から引き出すことができるようになっています。
それは、触れられることによって、カラダが記憶している気持ちよさを呼びおこすようなことです。
もし、カラダが気持ちのよくない性を記憶していたとしたら、それは引き出したくないということになります。
それなのに、相手のためにガンバリマスというのなら、キツイお役目になるし、早く終わらせてーになってしまいます。
これだと、おたがいに、ちっともたのしくない。
気持ちよくないことは、したくならないし、気持ちいいことなら、またしたくなる。
単純だけれど、キビシイ真理がここにはひそんでいます。
え~でも、パートナーが気持ちよくしてくれないんだもんという声が聞こえてきそうですが、何をおっしゃいますか、じぶんの気持ちよさを男性に任せっきりにするなんて、なんてもったいないことを!ときつめに言っちゃいます。
それぞれの女性ごとに、形状も感覚も気持ちよさのありかも違います。
どうすればじぶんが気持ちよくなれるのかを、じぶんのカラダと向き合って、感覚をつかみとっていったら、引き出し方がスムーズになっていきます。
男性のような単純な構造、仕組みではないからこそ、奥行きと、細やかさと、複雑な濃淡ゆえの快楽は、大きいかもしれません。
女性がセックスで気持ちよくなるためには、じぶんのカラダを知ることと、感覚をひきだすような自主トレ、じぶんのココロの状態を知ることも大切です。
ストレス漬けになっていたり、心配事や不安でいっぱいになっていたら、気持ちよくなるのはむずかしいからね。
そして、パートナーにじぶんの気持ちよくなるポイントを伝えること。
話しにくいというのならば、最中に自分のカラダを自発的に動かしたり、相手の手のやり場を促したり、そこでの反応を強めにしたりして、わかってもらう方法は色々あるんじゃないかな。
あと、されたくないこと、触られたくない場所もちゃんと伝えましょうね。
カラダにイヤ!の記憶が強く残ってしまうような、粗雑さにはノーを突きつけなくてはいけません。
気持ちよくなると決めたなら、じぶんでやれることはいっぱいあります。
そういうことをしないで、相手のことばかりを責めても、しょうがないんじゃないのかな。
性も違うし、バイオリズムや年齢による変化もあるし、男性からしたらわかるわけないよ、というのが本音かもしれません。
じぶんの気持ちよさだもの。じぶんでじぶんの主導権を握った方がいいですよね。
オーガズムだって毎回リーチしなくてもいいかもしれないけれど(そこは行為回数にもよるかな)男性は達するのが当たり前で、女性はそこを目指しもしないなんて、フラットな関係じゃねえーなーと、わたしなら毒づきます。
オーガズムが目的になって、その道のりを楽しめないのは本末転倒だけれど、道のりも気持ちがよくて、オーガズムを得たかったら遠慮なく得るというのがいいじゃない。
じぶんでできることはして、でも気持ちよくならないようだったら、別の方法を考えたらいいし、協力的じゃない相手や、話しがわからない相手なら、ほかを探した方がいいと思います。
言いすぎましたけれど、それだけ、女性が自身のセクシュアリティを大切にしたら、パートナーとの関係もよくなる可能性があるし、何より自分との結びつきが強くなると思っています。
2019年に刊行されたノルウェー発の「世界中の女子が読んだ!からだと性の教科書」。
原題はGleden med skjeden-膣の喜び- という通り、性教育全般というよりは、女性の性にフォーカスした本。
日本人にあわせた、買いやすい表紙とタイトルですし、kindle unlimitedでも読めるので、おすすめです。
本書では、男性と女性の性欲の違いについても書かれています。
性欲には、能動的欲求と受動的欲求があり、能動的欲求は何の前触れもなく感じる性欲(いわゆる一般的にいわれる性欲)は男性に多く、
受動的欲求は、親密な触れ合いや性的な行為の開始を受けて初めて起きる欲求で、女性に多いそうです。
女性は、男性のように、性欲がわかりやすいものではないということを、理解することがまずは大切なことだと思います。
spice+arts やましたのぶこ
Comments